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・2026/1/1 
第11回 あけましておめでとうございます

日頃より当クリニックをご利用いただき、誠にありがとうございます。
2025年1月の開院から、まもなく1年を迎えようとしています。
開院以来、多くの方にご来院いただき、お子さまの成長と健康を見守るお手伝いができていることを、スタッフ一同、心より嬉しく思っております。
日々の診療の中でいただく温かいお言葉やご信頼が、私たちの何よりの励みとなっています。

当クリニックでは、「気軽に相談できる身近な小児科」を目指し、病気の診療だけでなく、育児や発達、予防接種・健診などを通じて、お子さまとご家族に寄り添う医療を大切にしてまいりました。
まだ至らぬ点もあるかと思いますが、皆さまの声を大切にしながら、より安心して受診していただけるクリニックづくりに努めてまいります。
これからも、地域の子どもたちが健やかに成長し、ご家族が安心して子育てができるよう、スタッフ一同、誠実に診療に取り組んでまいります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

・2025/12/18 
第10回 子どもの鼻のトラブル

【鼻水・鼻づまりについて】
かぜのウイルスは、上気道と呼ばれる鼻の奥の粘膜に感染し、炎症を起こします。
かぜ症候群の3症状として、咳症状、鼻症状、のど症状がありますが、なかでも子どもたちにとって一番の問題となるのは、鼻症状(鼻水による鼻づまり)です。
子どもたちは鼻がつまると、食べものが飲み込みにくくなる、空気を飲み込んでおなかが膨れて吐いてしまう、鼻で呼吸できない不快感で寝にくくなるなどの問題が生じます。さらには、鼻が詰まって口呼吸になるとのどが乾燥して新たな感染にかかりやすくもなります。

乳幼児が鼻づまりを起こしやすい理由は大きく2つあります。

①4歳未満の子(特に2歳未満)は鼻腔が狭いため、鼻汁や鼻粘膜のむくみで容易に鼻づまりを起こします。
 子どもたちの顔面の骨は4歳までに大きく成長するので、4歳以降では鼻はつまりにくくなります。

②乳幼児は、鼻・のどの分泌物を排泄する力が未熟であるため、分泌物が滞ります。
 分泌物を処理する過程で、鼻水が鼻から出てくることはありますが、大部分はのどの方に垂れ込んで、咳の原因となります。特に、はしゃいだり、ご飯を食べたり、仰向けに横になったりすると分泌物が垂れ込み、咳が誘発されます。

乳幼児の鼻づまりを少しでも解消するために、鼻・のどの分泌物の排泄を促す去痰薬(カルボシステインなど)が有効なときがあります。鼻の吸引については、頑張っても手前の鼻水しか吸えず、吸ってもすぐにたまってしまいます。お子さまの負担を考えると、垂れてきたものを拭う、鼻水がゆるむ入浴中・入浴直後に吸ってあげるとよいと思います。時間経過とともに感染がよくなれば、症状は改善されますので、かぜ症状が治るまではなるべく鼻づまりにならないように対処しながら回復を待ちましょう。

【副鼻腔炎について】
咳、鼻水が長く続く原因として、副鼻腔炎があります。副鼻腔は顔面の骨のなかの空洞で鼻の奥とつながっています。かぜが長引くと副鼻腔にも炎症がおよんで分泌物がたまり、鼻水が増え、喉へたれこみ咳が誘発されます。

子どもたちの副鼻腔の発達は、上顎洞といわれる頬の骨の空洞が乳児期から時間をかけて4歳まで発達し、前額洞といわれる額の骨の空洞が7歳から発達します。ですから、幼児、特に3歳未満では副鼻腔が未発達であり、通常、副鼻腔炎という診断にはなりません。一方で3歳以上で鼻水、咳が3週間以上、長引く場合は、副鼻腔炎も考慮されるのでご相談ください。

小児科医は、年齢を加味した診断と身体的な成長に合わせて適切な治療を考えています。
咳、鼻のかぜ症状をすぐに治してあげることはできないかもしれませんが、治るまで少しでも楽に過ごせるようにしてあげたいと思っています!お困りのことがあれば、ご相談ください。

・2025/12/10 
第9回 子どもの耳のトラブル

【耳垢について】
お父さん、お母さんの耳垢は、かさかさタイプでしょうか、湿ったタイプでしょうか。
どちらのタイプかは、皮脂を分泌するアポクリン汗腺の発達によって分かれます。
白人や黒人は湿ったタイプが多く、私たちアジア人はかさかさタイプが多いといわれています。

耳垢は異物の侵入に対するバリア機能を果たしていますが、かさかさタイプのお子さんでは耳垢がたまりすぎてしまうと音の通り道(外耳道)がふさがれて、耳の聞こえに影響することがあります。耳垢をとるのが難しい場合があるので、定期的に耳鼻科で診察を受けて、耳垢を取ってもらうとよいでしょう。

一方で湿ったタイプのお子さんでは耳垢で外耳道がふさがれることはほとんどないので、耳掃除は綿棒で軽く拭ってあげる程度でよいでしょう。湿ったタイプはかさかさタイプより耳のかゆみを訴えることが多く、指や綿棒でぐりぐりしすぎて耳のなか(外耳道)を傷つけないように注意しましょう。

【中耳炎について】
耳は、鼓膜によって耳のなか(中耳)と外界が隔てられています。
赤ちゃんを沐浴していて、耳に水が入ってしまったと心配されることがあると思いますが、鼓膜を越えて耳の中に入ることはないのでご安心ください。そんな時は乾いたガーゼでかるく耳の中のお水を吸い取ってあげてください。
余談ですが、近年、中耳炎の治療として直接、鼓膜に塗って鼓膜を通過して耳の中に効く抗生剤のゲルが開発されています。そのくらい工夫をしなければ鼓膜の外から中に入ることないということになります。

それでは、中耳炎はどこから細菌などの病原体が入ってくるのでしょうか。
耳(中耳)には、鼻(鼻腔)とつながる耳管というものがあり、鼻の炎症が伝わり、中耳炎を引き起こします。
耳管の働きとしては、中耳の排液と換気を行っています。飛行機や新幹線のトンネルで気圧が変化すると耳の痛みや不快感を感じることがあると思います。その時、唾を飲み込んだり、あくびをしたりすると耳管が開き、症状が軽減されると思います。赤ちゃんは耳の圧力を自分でうまく減らせないので、哺乳させてあげることで耳管が開いて耳の不快感がよくなることが期待できます。
耳管は、2歳未満の子どもたちで短く(成人35mm>乳児18mm)、角度が水平であるため、中耳へ細菌やウイルスが入り込みやすい為、中耳炎をおこしやすいと考えられています。年齢が上がるとともに耳管が伸長し、角度がつくことで中耳炎の発生率は減少します。

中耳炎の原因となる細菌は、第1位 肺炎球菌、第2位 インフルエンザ桿菌ですが、2009年から日本で肺炎球菌、インフルエンザ桿菌に対するワクチンが定期接種となり、中耳炎の発症数は減少し、抗生剤が効きにくく治りにくい中耳炎の数も大きく減少しました。「小児急性中耳炎ガイドライン2024」では、”2歳未満であること”、”耳痛・発熱・不機嫌の症状”、”鼓膜所見”を合わせて、中耳炎の重症度診断を行い、抗生剤による治療が必要かどうかを決めています
抗生剤が必要のない軽症の中耳炎に繰り返し抗生剤を使用した場合、抗生剤が効かない耐性菌が増えるリスク、抗生剤関連の下痢症になるリスクがあります。そのため、細菌性中耳炎が少なくなってきた現状を踏まえ、診察で抗生剤が必要かどうかをしっかり評価することが必要です。

当院では中耳炎のリスクが高い2歳未満のお子さんが発熱で受診された際は、耳を確認していますので、ご協力をよろしくお願いします。
小児科医は、年齢ごとの病気や症状を考え、子どもの成長・発達に合わせて治療を行う子どものための医者です。
お子さまのご病状やくすりについてわからないことがあれば、なんでもご相談ください!

・2025/12/1 
第8回 子どもの年齢別に小児科医が考えていること

子どもたちは日々、成長・発達していますが、同じ病気でも年齢ごとに考えなくてはいけないリスクや治療が異なります。
私たち小児科医は、
健診で診るような首が座る、歩く、言葉が話せる、ごっこ遊びができるなどの発達だけでなく、
子どもたちの脳・神経、リンパ組織、肝臓、腎臓、腸などの臓器の発達と病気の関連を考えながら診療しています。

小児科が、小児の年齢ごとに考えていることの例を以下に示します。

【神経系】
子どもたちの脳の神経は3歳までに劇的に発達します。
とても大事な時期であり、発達を促すかかわりや発達の妨げとなる事故予防や病気の早期発見が必要です。
発達段階にある未熟な神経系で生じる病気としてけいれんやてんかんがあります。

「熱性けいれんは、6か月~6歳に生じます」
「良性てんかん(欠神発作、ローランドてんかん)は、幼児~学童期に生じます」

 生後6か月未満の赤ちゃんの脳の神経の電気信号が伝わる速度はとてもゆっくりなので、けいれんが起こりにくいといわれています。
 6か月から急激に電気信号が早く伝わるような”髄鞘化(ずいしょうか)”という現象が起こります。電気信号が早く伝わるようになるとけいれん発作が起こりやすくなります。
 6歳ころまでには、いらない神経を減らして、必要な神経を残していく“刈り込み(かりこみ)”という現象が起こります。脳の神経の交通が整理されると熱性けいれんは生じにくくなると考えられています。

【リンパ系】
子どもたちのリンパ系つまり免疫力は、2歳以下では弱いものの3歳以降急速に高まり、過剰になります。
そして、15歳を超えると成人と同じくらいに落ち着いていきます。
免疫力が高まると風邪を引きにくくなりますが、過剰になることによって生じる特異的な病態や病気があります。

「溶連菌感染後のリウマチ熱や腎炎は、3歳から若年成人に生じます」

 3歳以上の子どもが溶連菌にかかり、過剰な免疫反応が起こると感染から1~2週後にリウマチ熱(発熱、関節痛、皮疹)が出現し、心臓の弁膜症という後遺症が高頻度で起こります。リウマチ熱の予防に抗生剤が有効であるため、3歳以上のお子さんが溶連菌にかかられた場合、5~10日間の抗生剤の内服が必要になります。
 3歳未満や成人では、リウマチ熱や腎炎がおこる心配はほとんどありません。

「マイコプラズマ肺炎は、5~15歳に生じることが多いです」

 マイコプラズマ肺炎は”歩く肺炎”といわれるくらい発熱があっても元気で、診察で肺炎の診断にならないことが多くあります。 マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマが肺を傷害するのではなく、マイコプラズマがもつMALP-2というタンパク質が免疫を刺激して、過剰な免疫反応で肺炎を生じると考えられています。
 乳幼児、成人で肺炎を生じるのはまれで、発熱は少なく、症状は咳のみの場合が多いです。

「悪性リンパ腫は、5~15歳に生じます」

 悪性リンパ腫は、免疫にかかわるリンパ節にできる小児がんの一つです。白血病が1~2歳に発症することが多い一方で、悪性リンパ腫は5歳前後から発症する頻度が高まります。
 15歳以降は発症頻度が減りますが、50歳以上になってから再び増えていきます。

「小児喘息は、3歳~学童期に症状が顕在化します」

 免疫力が高まることによって、アレルギー反応も高まることがあります。気管支喘息も3歳を超えると風邪のとき以外にはっきりとした喘息発作が生じるようになります。
 大人になってからも気管支喘息が続く方もいますが、多くの場合、成長とともに治ります。

子どもは“小さなおとなではない”と言われます。
子どものことをよく知る小児科医しか知らないこと、気づけることがたくさんあります。
今回のお話は少し難しかったかもしれませんね。
些細なことでも気になることがあれば、是非、小児科医にご相談ください!!

・2025/10/17 
第7回 うちの子、便秘ですか

便の回数が減った気がする
便が硬いことがある
よくおなかを痛がっている
トイレが長い
など、便秘が疑われる症状はいろいろあります。

小児科では、週に2回以下で、便が硬く出すのに痛みや苦しみを感じている場合、治療が必要な便秘症と考えています。

私たちは、肛門の手前の直腸内の便が貯まると、脳が便意を感じ、排便を抑制もしくは排便を行っています。

将来、便秘で悩まされないためには、幼少期に“直腸に便があるときに脳で便意を感じる”という腸と脳のネットワークづくりが大切です。

赤ちゃんは生まれてから2ヵ月まで、肛門を触っただけで肛門が開く、肛門反射(原始反射と呼ばれる未熟な神経ネットワーク)があります。成長とともにこの肛門反射はなくなり、排便を我慢することができます。
その後、しばらくは便意を感じてもうまく排便ができないことがあり、9か月未満の赤ちゃんでうんちは硬くないのに、排便するのに10分以上、苦しがることがあります(乳児排便困難症)。
そして成長とともに3歳くらいまでに脳と腸がしっかり連携し、うまく排便できるようになります。しかし、便秘の状態が長く続いてしまうと、脳と腸の連携が作られず、直腸内に便がたまっていても便意を感じなくなってしまい、さらに便秘が悪化してしまいます。

腸と脳のネットワークづくりには、普段は直腸に便がたまっていない、直腸に便があるときに脳で便意を感じられる状態にすることが必要です。

子どもたちが便秘になりやすい時期は、主に3つあります。
離乳食が増えたとき
トイレットトレーニングの時
幼稚園や小学校などの集団生活が始まったとき

トイレトレーニングを始める際は是非、以下のことを考慮して試してください。
・排便の姿勢:和式トイレのしゃがむ姿勢のイメージで、洋式トイレでも台などを利用して足裏がついた状態で腹圧をかける練習をしてください。
・定期的な排便誘導:便意の有無によらず、食後15-30分にトイレに座るようにしてください。出ても出なくても時間は2-10分程度、排便リズムが整うまで、毎日続けてください。

排便習慣を見直しても便秘が解消されないときには、排便しやするために内服薬が有効です。
便がなかなかでない場合、便が硬くておしりが痛くなってしまう場合には是非、かかりつけ小児科にご相談ください。

・2025/10/10 
第6回 こどもは夜に熱が上がる?!

小児科クリニックでは、午前中の診療で「夜、体温が40度まで上がったんですが、朝になると下がりました」というお話をよく耳にします。
インフルエンザウイルスやコロナウイルスのような感染症では、1日中、熱が下がらないことがありますが、
かぜ(ほとんどのウイルス感染症)では午後だけ熱が高くなることがよくあります。

ヒトの体温は通常、一定に保たれていますが、午前より午後の方が0.3度程度高いといわれています。
かぜをひくとその体温調節の振れ幅が大きくなり、15時頃から高熱になります。
午前と午後の熱の差が1度以上ある熱は弛張熱(しちょうねつ)と呼ばれ、一般的なウイルス感染症の熱のパターンです。

熱以外にも、子どもたちは夜に具合が悪くなることが多いため、小児科は夜に患者さんが多く、夜の仕事(当直)とよく言われます。
熱が上がる夕方には熱性けいれんで救急車での搬送が多く、子どもたちが寝る頃には喘息発作での来院が多く、夜中の2時頃にはクループで咳が止まらないお子さんが受診されます。     

私が小児科医になって間もないころ、ベテランの指導医の先生と2人で夜通し忙しく働いていた時に、
「夜に眠い中、子どもを心配して病院に連れてきてくれるお父さん、お母さんには感謝しないといけないね」
と指導医から言われたことがあります。
それからは、どんなに眠くても疲れていても、100人の患者にいる重症の1人を見逃さないこと、そして軽症の場合であっても子どもたちとご家族が安心して過ごせるような助言することを心がけて当直をするようになりました。
小児科医になってもうすぐ20年になりますが、今も指導医の言葉を胸に診療しています。

ひだまりの森こどもクリニックでは夜間の診療をしていませんが、日中のうちに症状を安定化させたり、夜に起こりそうなことをお母さん、お父さんに伝えたりして、なるべく安心して夜の看病をしていただけるよう心掛けながら診察させていただいています。
それでも夜間お子さまの様子でご心配なことがあった場合、または急な病状の変化があった場合は、子供の健康相談室(#8000)もしくは お近くの夜間救急を実施している医療機関にご相談ください。

【子供の健康相談室(小児救急相談)】
電話番号:#8000 または 03⁻5285⁻8898
受付時間:月曜日から金曜日まで(祝日・年末年始除く) 午後6時から翌朝8時まで
     土曜日・日曜日・祝日・年末年始 午前8時から翌朝8時まで

・2025/9/26 
第5回 小児科医がよく処方するかぜ薬

暑さが和らぎ、朝は肌寒さを感じるようになってきました。
10月からインフルエンザの予防接種を開始しますが、これから寒くなると色々な風邪が流行ると思われます。

子どもたちのかぜの症状には、のどの痛み、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳などがあります。
これらの症状があると、遊べなくなってしまったり、夜中に起きてしまったり、食事が進まなかったりすることがあると思います。
つらい症状は早く楽にしてあげたいですね。

風邪を引いた時に、子どもたちに必要な薬は何でしょうか。
かぜ症状を和らげるための薬には、いくつか種類があります。
薬の適切な使用により症状の改善が期待できる一方で、処方の仕方によっては必ずしも症状が和らぐわけではありません。
薬の効果を期待して、一度に色々な種類の薬を飲めば、そのうちのどれかが効果を発揮し、症状が軽快することもあります。
しかし、そのうちいくつかの薬は効果がなかったり、むしろ症状を悪化させたり、副作用を引き起こしたりする可能性もあります。

今回は、“のど・鼻の風邪”のときによく出される薬のメリット・デメリットについて、代表的な薬を例に挙げて説明します。()内は商品名。

・カルボシステイン(ムコダイン)、アンブロキソール(ムコソルバン) 
メリット:鼻水や痰の粘調性(ねばねば)がゆるくなり、鼻づまりがよくなることが期待されます。
デメリット:鼻水が奥に垂れ込むと咳の回数が増える可能性があります。

・ツルブテロールテープ(ホクナリンテープ)、プロカテロール(メプチン) 
メリット:気管支喘息の薬であり、その体質があるお子さんは、咳の回数が減ることが期待されます。
デメリット:テープは皮膚がかぶれたり、飲み薬は量が多いと手が震えたりすることがあります。

・デキストロメトルファン(メジコン)、チペピジンヒベンズ(アスベリン) 
メリット:のどの腫れ、気管支炎や喘息など咳の原因がはっきりしない場合、咳の回数が減ることが期待されます。
デメリット:かぜの引き初めに内服すると、かぜ症状が長引かせる可能性があります。

・レボセチリジン(ザイザル)、オロパタジン(アレロック) 
メリット:アレルギー性鼻炎の薬であり、その体質のあるお子さんでは、鼻水の量が減ることが期待されます。
デメリット:鼻水の粘調性(ねばねば)がまして、鼻づまりを起こす可能性があります。

・モンテルカスト(キプレス)、プランルカスト(オノン) 
メリット:気管支喘息やアレルギー性鼻炎の薬であり、その体質があるお子さんは、咳の回数が減る可能性があります。
デメリット:まれに下痢になる可能性があります。

当院では、子どもたち一人一人の状態を把握して、この薬は有益か、副作用の懸念が大きいのかを考え、症状の経過や既往歴から薬を選択しております。
子どもたちに安全な医療を提供できるよう、できる限り丁寧な説明を心掛けていますが、薬についてわからないことや疑問に思うことがあれば、遠慮なくお尋ねください。

・2025/8/19 
第4回 休みの日に寝すぎると体調不良につながる?!

こんにちは。8月も後半ですが、まだまだ暑い日が続きますね。
クリニックは夏季休暇が終わり、今週からまた通常診療をしています!

お子さんたちはどうお過ごしでしょうか。

今回は睡眠と健康のお話です。
慢性的な睡眠不足は、肥満、心筋梗塞、精神疾患に関連することがわかってきており、睡眠の重要性が注目されています。
しかし、私たち日本人は世界の中で最も睡眠時間の短い国民だと言われています。

     日本人   世界での推奨
小学生  8-9時間  9-11時間
中学生  7-8時間  8-10時間
おとな  6-7時間  7-9時間

日本人の睡眠時間は子どもも大人も全世代で短く、慢性的な睡眠不足であると言われていますが、
中学生、高校生の睡眠では、「社会的時差ぼけ」も注目されています。

社会的時差ぼけとは、社会的制約のある平日と制約のない休日の就寝時刻・起床時刻がズレていることを言います。

中学生、高校生を対象とした調査で、平日と休日の就寝時刻と起床時刻を比べたときに、就寝時刻は変わらないものの休日の起床時刻が遅くなり、睡眠時間が長くなることがわかっています。これは学年が上がるほど顕著になっており、平日の睡眠不足を休日に補っていることが考えられています。※参考1

この社会的時差ぼけが健康に悪影響を与えていることが報告されており、平日と休日の起床時刻に1時間以上のずれがある子どもは、ズレがない子どもに比べて、気分のむら、日中の眠気、だるさが多いことがわかっています。※参考2、3

夏休みにズレてしまった睡眠リズムを戻すことは、はじめは大変かもしれませんが、新学期に向けて起床時刻を平日と同じにしておくと、自然に生活リズムが戻り、体調が整ってくることが期待できます。

お子さまの健康のために、お子さまの睡眠習慣について見直してみてください!

「起床時刻を一定にする」ことを意識すると、体調不良の改善につながると考えられる一方で、
ヒトの覚醒を促すオレキシンが足りないナルコレプシー(過眠症)という病気や、
成長期に伴う自律神経の失調をきたす起立性調節障害という病気で、朝起きるのがとても困難なお子さんがいます。
お困りのことがあればかかりつけの小児科にご相談ください。

※参考1  「子どもの睡眠健診」プロジェクト・中間報告2024

※参考2 Tamura N, et al. Social jetlag among Japanese adolescents: Association with irritable mood, daytime sleepiness, fatigue, and poor academic performance. Chronobiol Int 2022;39:311-322

※参考3 斎藤雄弥, 他: コロナウイルス感染症2019に伴う長期休校がもたらした中学生への影響. 日本小児科学会雑誌. 2021;125:949-956.

・2025/8/18 
第3回 “ふつうのかぜ”の正体

かぜとは、のどの痛み、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳などの症状を伴う状態をいいます。

かぜの原因のほとんどはウイルスによる感染症です。人に感染するウイルスは400種類以上あるといわれています。

かぜの原因ウイルスとして、インフルエンザウイルスやコロナウイルス、RSウイルスは簡単に検査ができるため有名ですが、簡単に検査できないウイルスもたくさんあります。しかし、2020年の新型コロナウイルスの流行に伴い、大きな総合病院ではPCR検査ができるようになり、今まで判定することができなかったウイルスがいくつかわかるようになりました。

以前、私が勤めていた病院で行った調査では、肺炎・気管支炎の原因となったウイルスは、第1位ライノウイルス、第2位パラインフルエンザウイルスでした。※参考1

ライノウイルスは、風邪の代表的な原因ウイルスです。症状は、鼻水・鼻づまりが強く、痰が絡まった咳を認めます。肺炎・気管支炎だけでなく、喘息発作を引き起こすことがあります。また、2歳未満のお子さんでは中耳炎の合併にも注意が必要です。

パラインフルエンザウイルスは、名前がインフルエンザウイルスに似ていますが、全く異なるウイルスです。鼻汁や鼻づまりの症状は少ないものの咳の症状が強く、幼児のお子さんではクループ症候群という夜間の咳発作を引き起こすことがあります。肺炎・気管支炎になり、重症化することがあります。

たくさんの子どもたちがかかるライノウイルスやパラインフルエンザウイルスですが、多くのクリニックでは簡単に検査することはできず、東京都の調査でも流行状況を知ることはできません。※参考2

しかし、年齢や季節、問診から得られる症状などから、病原体をある程度予想することは可能です。
小児科医が「ふつうのかぜですね」と言う場合も、おそらくこのウイルスだからこういうリスクがあるな、などと考えながら診療を行っています。

診療を通して肺炎・気管支炎、喘息、中耳炎の合併症がないかを確認しながら、かぜを安全に乗り越えてほしいと思っています。お子さまに心配な症状があるときは、かかりつけの小児科への受診をご検討ください。

※参考1 Yo Murata, Yuya Saito, et al. Impact of respiratory viral infections on pediatric inpatients with a respiratory disease after COVID-19 restrictions. Pediatr Int. 2025. doi: 10.1111/ped.70138.

※参考2  東京都感染症センターの週報

・2025/8/4 
第2回 夏風邪ってなに?

医師が「夏風邪」と呼んでいるものについて少し説明しようと思います。
夏風邪とは、エンテロウイルス属に含まれるさまざまなウイルスによる感染症のことです。

エンテロウイルス属には、
 ・エンテロウイルス
 ・コクサッキーウイルス
 ・エコーウイルス などがありますが、
これらのウイルスをお聞きになったことのない方が多いと思います…。

喉に小さいぶつぶつが認められた時、ヘルパンギーナという病名を告げられたり、手や足にぶつぶつを認められた時、手足口病という病名を告げられたりしますが、両方ともエンテロウイルス属を原因とする感染症です。

ヘルパンギ-ナは、夕方の高熱が3-7日程度続き、喉の痛みを伴うことがあります。喉の痛みで食事がしにくくなることがあるので、食べやすいもの・飲みやすいもので糖分と水分をこまめにとりましょう。

手足口病は、多くの場合、発熱は2日程度、皮膚の症状は4日程度、広がっていきますが、1週間程度で消えていきます。まれに数か月後に出たり消えたりすることがあります。

エンテロウイルスは唾液や糞便から感染するため、感染予防のためにはお子様のケアをした後の手洗いが大切です。

1つ注意点として、夏風邪と症状がよく似ている溶連菌感染症があります。38度以上の発熱、3歳以上、咳がない場合には溶連菌感染症が疑われます!夏風邪はウイルス感染症であり、抗生剤は効果がありませんが、溶連菌は細菌であるため抗生剤治療が有効であり、抗生剤でしっかり除菌する必要があります。症状だけでは夏風邪と区別がつきにくく、検査が必要になります。

溶連菌感染症は夏休みになると急激に減少しますが、高熱を認めた際には是非、受診をご検討ください!

・2025/8/3 
第1回 開院して半年が経ちました

ひだまりの森こどもクリニック 院長の斎藤雄弥です。

2025年1月に開院して、6か月がたちました。
この半年で多くの方々にご利用いただき、たくさんの子どもたちと出会うことができました。
これまで私はこども病院や地域の中核病院で長く勤務しており、かかりつけの先生から紹介を受けた子どもたちの診療をしていました。今は子どもたちにより近い存在として、子どもたちの小さな変化やご家族が気になっていることを診たり聞いたりすることにやりがいを感じながら診療しています。

開業した1月から3月までは春花粉の影響と考えられる症状(鼻水、鼻づまり、咳)のご相談をたくさんいただきました。今年のスギ花粉は猛威を振るっていましたね。
春休みが終わった4月からは、保育園や学校が始まり、鼻かぜウイルスや溶連菌、胃腸炎などのさまざまな感染症が増えました。

今、小学生は夏休みに入り感染症は減ったと思いますが、保育園に通われているお子さんたちの間で夏風邪や胃腸炎が流行っているようです。夏風邪については次回、詳しくお話ししたいと思います。

こちらのブログでは、“ひだまりの森こどもクリニック”が考える「子どもたちの健康に関わる情報」や、医療者である私たちの「子どもたちへの思い」を定期的に発信していこうと思います。
興味のある内容があれば、ぜひ参考になさってください!!

042-843-6385
住所
〒207-0011
東京都東大和市清原1丁目1213-7
東大和リビングテラス内
診療内容
小児科
駐車場
東大和リビングテラスの駐車場が利用可能(無料)
最寄りバス停
  • 「団地南」から徒歩4分
駅からのバス停までのアクセス
  • 西武拝島線「東大和駅」から「団地南」までバスで10分
  • 西武新宿線「久米川駅」から「団地南」までバスで16分
診療時間 日・祝
09:00 ~ 12:00
一般外来
13:30 ~ 15:00
予防接種
乳幼児健診
健診 予防 予防 健診
15:00 ~ 18:00
一般外来
火曜午前、土曜午前 ◎9:00~13:00
休診日 火曜午後、土曜午後、日曜、祝日