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・2025/8/4
第2回 夏風邪ってなに?
医師が「夏風邪」と呼んでいるものについて少し説明しようと思います。
夏風邪とは、エンテロウイルス属に含まれるさまざまなウイルスによる感染症のことです。
エンテロウイルス属には、
・エンテロウイルス
・コクサッキーウイルス
・エコーウイルス などがありますが、
これらのウイルスをお聞きになったことのない方が多いと思います…。
喉に小さいぶつぶつが認められた時、ヘルパンギーナという病名を告げられたり、手や足にぶつぶつを認められた時、手足口病という病名を告げられたりしますが、両方ともエンテロウイルス属を原因とする感染症です。
ヘルパンギ-ナは、夕方の高熱が3-7日程度続き、喉の痛みを伴うことがあります。喉の痛みで食事がしにくくなることがあるので、食べやすいもの・飲みやすいもので糖分と水分をこまめにとりましょう。
手足口病は、多くの場合、発熱は2日程度、皮膚の症状は4日程度、広がっていきますが、1週間程度で消えていきます。まれに数か月後に出たり消えたりすることがあります。
エンテロウイルスは唾液や糞便から感染するため、感染予防のためにはお子様のケアをした後の手洗いが大切です。
1つ注意点として、夏風邪と症状がよく似ている溶連菌感染症があります。38度以上の発熱、3歳以上、咳がない場合には溶連菌感染症が疑われます!夏風邪はウイルス感染症であり、抗生剤は効果がありませんが、溶連菌は細菌であるため抗生剤治療が有効であり、抗生剤でしっかり除菌する必要があります。症状だけでは夏風邪と区別がつきにくく、検査が必要になります。
溶連菌感染症は夏休みになると急激に減少しますが、高熱を認めた際には是非、受診をご検討ください!
・2025/8/3
第1回 開院して半年が経ちました
ひだまりの森こどもクリニック 院長の斎藤雄弥です。
2025年1月に開院して、6か月がたちました。
この半年で多くの方々にご利用いただき、たくさんの子どもたちと出会うことができました。
これまで私はこども病院や地域の中核病院で長く勤務しており、かかりつけの先生から紹介を受けた子どもたちの診療をしていました。今は子どもたちにより近い存在として、子どもたちの小さな変化やご家族が気になっていることを診たり聞いたりすることにやりがいを感じながら診療しています。
開業した1月から3月までは春花粉の影響と考えられる症状(鼻水、鼻づまり、咳)のご相談をたくさんいただきました。今年のスギ花粉は猛威を振るっていましたね。
春休みが終わった4月からは、保育園や学校が始まり、鼻かぜウイルスや溶連菌、胃腸炎などのさまざまな感染症が増えました。
今、小学生は夏休みに入り感染症は減ったと思いますが、保育園に通われているお子さんたちの間で夏風邪や胃腸炎が流行っているようです。夏風邪については次回、詳しくお話ししたいと思います。
こちらのブログでは、“ひだまりの森こどもクリニック”が考える「子どもたちの健康に関わる情報」や、医療者である私たちの「子どもたちへの思い」を定期的に発信していこうと思います。
興味のある内容があれば、ぜひ参考になさってください!!